米著名投資家アイカーン氏、株式相場「大幅な下落」の可能性」

「物言う株主」として知られる米著名投資家のカール・アイカーン氏は18日、ダウ工業株30種平均が一時1万6000ドルの大台に初めて乗せるなど好調な米株式市場について、「大幅な下落」が起きる可能性があるとして、先行きに警戒感を示した。

米著名投資家のカール・アイカーン氏は18日、現在の株式相場について「非常に慎重」にみており「大幅な下落」もありうるとの見解を示した。企業収益の改善は低金利環境のおかげであり、経営の良さに支えられているわけではないなどと主張した。ニューヨークで開かれた投資関連会合での発言をロイター通信が伝えた。この報道をきっかけに18日の米株式相場は午後に急速に伸び悩んだ。

同氏は特定の国・地域の株式相場を名指ししていないが、量的金融緩和と超低金利政策を続ける米国を念頭に置いた発言とみられる。企業業績については「幻覚(ミラージュ)」という言葉を使って、実態以上に底上げされているとの認識を示したという。

アイカーン氏は特定企業の株式を買い集め経営改革や株主への利益配分を要求する「物言う投資家(アクティビスト)」として知られる。投資先の米アップルについては、経営陣と争うつもりはないが投資を引き揚げる予定もない、との意向を示した。当面は友好的な姿勢で自社株買いの実施などを求めていく方針のようだ。(日本経済新聞2013/11/19 7:22)

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