FRB議長にイエレン氏発表へ 初の女性

オバマ米大統領は2014年1月末に任期が切れるバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の後任に、ジャネット・イエレン副議長(67)を指名する意向を固め、9日午後に発表する。100年のFRBの歴史の中で初の女性議長になる。イエレン氏は雇用創出を重視する「ハト派」として知られ、バーナンキ議長の敷いた現在の金融緩和路線を踏襲するとみられる。

 米メディアが8日、一斉に報じた。議長就任には米議会上院の承認が必要になるが、イエレン氏については民主党内では支持が多く、民主党が多数を占める上院の承認手続きは円滑に進むとみられる。FRB議長の任期は4年。06年2月に就任し現在2期目のバーナンキ氏は再任を望まない意向を示し、オバマ大統領が人選を進めてきた。

 経済学者出身のイエレン氏は、10年秋にコーン前副議長の後任として副議長に就任した。グリーンスパン議長時代のFRB理事、クリントン政権の大統領経済諮問委員会(CEA)委員長なども歴任。FRB理事、サンフランシスコ地区連銀総裁などを含めFRB在籍は10年を超える。

 イエレン氏は学者時代から失業問題について研究し、米雇用創出を重視している。金融危機以降にFRBが進めている量的緩和など積極的な金融政策を支持している。失業率が高いうちはある程度の物価上昇を容認する現行の金融政策の枠組みには大きな変更はないとの見方が多い。

 次期FRB議長を巡っては、イエレン氏とともにサマーズ元財務長官も有力候補にあがっていた。オバマ大統領は、個人的に関係の深いサマーズ氏の起用に傾いていたが上院民主党内でサマーズ氏への反対論が強まり、同氏は9月上旬に就任辞退に追い込まれた。オバマ大統領は、米財政問題をめぐり米金融市場が不安定になっていることもあり、市場で支持の強いイエレン氏の起用発表を急ぐことにしたとみられる。
(2013/10/9 8:42 日本経済新聞)

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